2018年06月28日

中堅社員研修

【6月22日(金) 1日目】

某社中堅社員研修は、入社6年目のメンバーが13名(女性3名)。
職歴ありは0名、技術専門職10名、本年度異動者3名、異動なしは6名、
既婚者2名(男性)でパパ0名、後輩が居る者5名です。

朝一番4つの質問ですが、
走っている”は5名、
任されている”は1名、
視野を広げている”は0名、
仕事が充実している”は4名という状態。
状況的にはかなり厳しいとも言えるのですが、
傾聴姿勢はあり、雰囲気も悪くありません。
徐々に熱が帯びていくことを期待しての船出です。

主体性とは”の問いかけには、
今年も一人、Kさんが間髪いれずに答えてくれました。
私のモチベーションはあがります(笑)。

■オリエンテーションで”行動の現状分析”をした最後に、
 『後輩の様子がおかしいと思った時、まず何をしますか?』と問いかけて、
 私なりの見解を伝えたが、反応は今ひとつ…。

■一旦休憩後、研修での約束ごとを確認した流れで、発想力のトレーニングです。
 ”ガラスのコップの使いみち”では、
 15個以上を目指すメンバーも、実績として発想するメンバーも居ませんでした。

 それでも、予行演習後の”理想のビジネスプロの要件”では、
 ギネス達成とは行かなかったが、各グループともに真剣に取り組んでくれました。
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  Aグループ(4名)は、個人23個、グループ66個、
  Bグループ(4名)は、個人 8個、グループ41個、
  Cグループ(5名)は、個人16個、グループ47個でした。
 アイデアの数もさることながら、個別のアイデアが多岐に渡っており興味深いです。

■”互いの歴史と体験の共有化”は、時間設定を彼らに任せました。
 何をするか説明した後、何分必要か検討してもらったところ、
 結果、Aグループ:50分、Bグループ:40分、Cグループ:50分。
 この段階ではエンジンがまだ暖まっていないのか、ほぼ時間通りに終わりました。
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 それでも、新人研修、2年目研修で一緒に過ごしているのですが、
 互いの5年間における成功体験や失敗体験を共有化していく中で、
 少しだけ同期に刺激を貰い、同期の親密度もより増したように思います。
 昼休みを挟んで前半戦と後半戦では、雰囲気も違ってきておりました。

■一旦休憩後、”84才のおばあ”の事例を紹介して、
 ”夢を描いて実現に向けて取り組む意味”を紹介しました。

 その上で、まずWill:何をやりたいのか(長期的に)である
 ”働く意味”を整理します。
 働く目的の%を1分間で仮説として表し、グループ内で共有化します。
 ウロウロしてみると、お金の割合が60〜90%と高めがかなり目立ちます。
 昨年の先輩達とも違うのですが、
 あくまでも個人の価値観ですから良い悪いはありません。

■次に、Can:何が出来るのかである能力や専門性を整理します。
 事例で刺激を与えてから、”財産目録づくり”は、
 拡散思考でラベル作成15分、収束思考でラベル貼り10分に取り組みます。
 一応個人ワークですが、基本は”カンニング大歓迎!!”です。
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 今ひとつ彼らの集中度を計りづらいが、
 あるメンバーがある程度まとめた段階で、私に断り他のグループに遠征しており、
 その後も同様の動きをしておりました。
 こういう小さな動きに、私も救われます。

 今回は、4名と5名体制と時間的余裕もあったので、
 財産目録をまずはグループ内で25分間かけて情報交換します。
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 プチ自慢大会という名の情報交換は、他流試合にしました。休憩を含む60分に設定。
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 今回は、引継ぎを含めて後任の事務局様がお二人オブザーブしてくれたのですが、
 それぞれの分科会に邪魔をしない程度に関わって頂けたので良かったです。
 お二人とも現場での長い経験をお持ちなので、
 私以上に適切なアドバイスをして頂けたことでしょう。
 何より、お二人も楽しそうに加わって頂けたので嬉しかったです。

 そうしているうちに、人材開発PJ担当の取締役と元総務部長が加わり、
 恥ずかしながら、私流の”能力開発のポイント”を伝えてから夕食です。

■ステーキの夕食を食べた後取り組んだのが、
 『わが社(G)は必要ない!?』という模擬ディベート。
 今年も、関連企業から男女2名ずつが参加してくれています。

 まず、グループ内でチーム編成して作戦タイム10分。
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  敵のチームと距離を空けてのひそひそ話なので聞き取りづらいが、
  議論が噛み合っているとは言い難い(苦笑)。
   
  自グループが必要派不要派のどちらをとるか不明なので、
  その点も考慮しながらディベートモード10分、仲良しモード10分で議論しました。
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 本番(全体会合)は、先に二つのグループが必要派を希望したので、
 残ったグループが気を遣ってくれたのか不要派をとりました。
 ただ、人数が4:9になるので、各グループから1名ずつ助っ人を招聘する。

 作戦タイムは、すでに下地が出来ているので10分にしました。
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 予行演習のディベート場面でも、本番の作戦タイムでも、
 いつも以上に大勢のオブザーバーが、若者が何を考え悩んでいるのか知ろうと
 観察してくれます。メンバーは、張り合いがあったのか、やり難かったか…。
   
 いよいよ本番ですが、ディベートモードでは必要派の説得力がやや弱く、
 不要派にかなり押されておりました。
 昨年の流れとは逆ですし、主な発言者(視点)が少し偏り気味だったのが残念です。
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 ディベートモードは25分を想定していましたが、少し早めに止めました。
 それでも、このワークではディベートモードにはあまり期待はしておらず、
 仲良しモードで彼らの現場感覚にもとづいた本音の声を期待しております。
 一人ずつ順番に、自身の仕事や職場を通して実感している企業グループの存在意義、
 強み弱みを発言してもらい共有化します。
 今回も、客先常駐しているメンバーが多数派だし、忙しく走っているので、
 企業(G)の存在意義などは考えていなかったと思います。
 これを機会に考えていくキッカケにしてもらうことも大切です。

 仲良しモードの終了後、私からこの課題に取り組む意味を
 事例を交えて視点提供をした後、
 取締役をはじめオブザーバー全員から、ディベートに関する感想やアドバイス、
 会社の現状と将来計画と課題、彼らへの期待を語って頂けました。

 一日集中して取り組んでくれたこともあり、予定より少し早めに終了です。
 感想ラベルを書いて提出後、懇親会に入ります。


 1時間強の懇親会も楽しく終えて、部屋に戻って確認した感想ラベル、
 全体的に前向きな受け止め方ではあるが、サラットした感想が多いのです。
 私は、キーワードを探しながら、それに応える様にまとめていくのですが、
 そのキーワードがなかなか見つからない。
 逆に、やや懐疑的な感想には一瞬落ち込むのですが、
 どの様に想いを伝えるか、誤解を解いて、理解を深めてもらうか、気合が入ります。
 結局、13名分の感想ラベルに対するコメントをまとめるのに、
 2時間以上かかったのですが、それでも自分が納得できる仕上がりではないので、
 翌朝早めに起きて見直しです(笑)。


【6月23日(土) 2日目】

早起きして、前夜まとめたコメントをもう一度見直す。
いつも以上に時間はかかったが、なんとか納得できるレベルに届きました(笑)。

■今年から朝の開始が9時に変更。
 昨夜メンバーと相談して、集まった段階で少しでも早く始めることにしたが、
 8時50分には全員が揃う。
 朝一番、一人1分程度緊張感と眠気を取るためにフリートークです。

 振り返り(感想ラベルの共有化)は目標40分でしたが、結果的には45分。
 極力メンバーの感想に沿いながら、それでも同様の感想も多いので、
 事例を紹介したり、ワンポイントレッスンしているうちに、私のテンションは上がる。
 昨日の感想ラベルに両者の温度差も感じたので、極力抑えてと思うのですが…。
 終了した段階では、彼らの反応は掴めませんでした。

■一旦休憩後、”将来像を描く”に入ります。
 手順を簡潔に解説した後、拡散思考を奨励して個人ワーク30分に取り組む。
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 情報交換は、余裕を持たせて60分にしたが、
 すぐに情報交換に入るグループと個人ワークを続けるグループに分かれる。
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 各グループの足並みが揃ったあたりで、徐々に盛り上がってはいくが、
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 若干空気が緩んできたので、早めに切り上げて一斉に休憩。

 午前中は時間的余裕があったので、少しでも先に進めておきます。
 私がこの世界に飛び込んできた経緯を紹介し、
 その流れで、”種を蒔く、仕掛けを打つ”重要性を紹介した上で、
 ”将来像実現の為の課題化”にブリッジをかけてから昼食です。

■午後からは、まず”仕事系”のテーマから入ります。
 私がある程度リードした後で個人ワークに10分間取り組み、
 そのまま約30分かけて情報交換を行いました。
 この辺でも、教室の空気が締まってきた様な気がしました。
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 私も彼らの傾向を確認したいので、ウロウロしましたが、
 今回は、特別恵まれている人も居ないが、劣悪な人も居ませんでした。
 この課題も日頃漠然と捉えている職場や仕事の状態を細分化することで、
 恵まれた環境に甘えていた自分、悩んでいる理由や原因が見えた自分が居るかも…。
 全体像を俯瞰することも大切だが、細部を分析し再度全体を見渡す重要性を伝えて、
 私なりのアドバイスを送っております。

■次は、”人系”のテーマに入ります。
 休憩を含めて30分にセットしたが、思いのほか進捗が早いので、25分で切り上げる。
 その分情報交換を30分にして、互いの人的財産を共有化しました。
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 ここでも、メンバーの中に入りオブザーブしていた事務局さんが、
 最後に少しだけご自身のマップを見せながら紹介している場面が嬉しかったです。

 私からは、”人に興味や関心を持つ重要性”を特に強調し、
 ”三宅先生”という私の原点である幼稚園の恩師を紹介し、
 最終コーナーに入ります。

■最終コーナーは、”相互フィードバック”で締めました。
 順番に、一人が外に出て2日間を振り返った自己評価をしている間に、
 残ったメンバーで協議してフィードバックラベルを作成してプレゼントします。
   
 たまたま、傍のグループが早めに進んでいるので、久々にやり取りを観察しました。
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 遠めに見ると、アドバイスは1つか2つでややアッサリ系なのですが、
 本人が自己評価と他者評価の共通点と相違点を伝え、お礼や感想を述べるのに対し、
 他のメンバーから本気モード時には辛辣な感想やアドバイスを伝えております。

 他のグループも帳尻を合わせてくれたのか、
 終った時間にはほとんど差はありませんでした。
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最後に、宿題ではないお土産の総括シートを作成する意味を伝え、
相互フィードバックに関するメッセージを伝えて、2日間の研修は終了です。
  1.フィードバックは耳に痛い内容も心地よい内容もあったと思うが、
    2日間一緒に過ごした仲間からのプレゼントだから素直に受け止められる。
  2.もらった内容に一喜一憂するだけではなく、今後他者をリードしていく上で、
    相手を知る・行動を共にするなど気づいたポイントを忘れずに実践して欲しい。


帰りに確認した感想ラベル、
初日気になる感想というよりメンバーが複数居たのでドキドキでしたが、
初日の文章量の倍以上の熱いメッセージが届きました。
ほぼ全員が前向きに捉えてくれたと思うし、
少し意味合いの違う感想もあったのですが、
要は”自分が自分らしく納得できる人生を送る”ことが一番なので理解出来ます。
2日間で、考えたり感じたり、気づいたことがあれば、
それをベースに行動を変えてくれることを切に願っております。
posted by Tadashi Yano at 18:45| Comment(0) | 研修・セミナー
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